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2008年1月

2008年1月30日 (水)

またも目を覆う国会衆議院

 何とねぇ、顔をそむけたくなる様相だな国会衆議院の惨状
 政府提出法案を基にしながら自民・公明両党は、どういうわけかその一部を抜き出し議員立法として提出した。
 いわゆる「つなぎ法案」のことだが、これはどう見ても綿密な論議をされてはかなわないと踏んだ結果の「議員立法」だ。なにしろ議員立法にしておけば委員会質疑をしなくてもいいというのだから。

 ここで自民・公明両党の議員は「いや、きちんと論議をするための2か月延長を求めた法案なのだ」とムチャクチャをいう。
 違うだろ。
 議員立法で提出された「つなぎ法案」を2か月の時間をかけて話し合うわけではないのだ。

 そうではなく、提案し衆院通過さえしておけば、この「ガソリン1リットルあたり25円を上乗せする暫定税率の10年間維持」法案いついて2か月後の衆院再可決が見込めるからだ。
 論議を逃げ、暴力的なまでの強引なやり口をもって党略本位の法案を成立させようとしておいて、なにが議会だよ。
 恥を知れ、自民・公明の与党議員たち。

軽蔑すべき「弥縫策」

 ラジオを聞いていると朝から国会のニュースでもちきりだ。
 ガソリン税の暫定税率など期限切れ間近な法案をめぐって紛糾しているためで、自民・公明両党がまたまた不埒(ふらち)な策謀をたくらんでいるそうで、要するに5月末まで2カ月延長する「つなぎ法案」を議員立法で提出し衆院の多数をもって可決、2か月後の再採決による成立を図ろうというのである。これに抗しようとする野党は審議拒否も含んだ徹底対決を表明し、同法案の提出が午後にも予想されるとあってニュースの焦点となっているのだ。

 朝日新聞のサイトを開くと「『つなぎ法案』提出へ緊迫 民主は徹底抗戦」という見出し(13時03分現在)。読売は「与党『つなぎ法案』29日中に提出、民主は審議拒否」といい、毎日の見出しには「つなぎ法案:与野党対立深まる 民主、予算委は審議応じる」とある(14時07分)。

 いったい何ごとが起きているのかという点についてきのうの毎日新聞記事にあった概説が分かりやすいので引いておく。
 「政府は23日、ガソリン1リットルあたり25円を上乗せする暫定税率の10年間維持を盛り込んだ租税特措法改正案など税制改正関連法案を国会に提出した。ただ、衆院通過は早くても2月中旬の見通しだ。野党が多数の参院で採決されない場合、参院送付60日経過後に否決とみなせる憲法の規定を用いて衆院で再可決しても成立は4月中旬となり、暫定税率がいったん失効する可能性が高まっていた」。
 これが背景で、何としても特措法延長を目論む与党は上にいう「つなぎ法案」を思いついた。
 「つなぎ法案が成立すれば、暫定税率の期限が5月末まで延びるため、仮に衆院再可決の規定を使っても税制改正関連法案の審議時間を十分確保できる。民主党など野党が参院で年度内に否決し、衆院で再可決される可能性もある」というわけなのだ。

 いってみればこの間、自衛隊をインド洋に派遣し給油活動を再開することを目的とした新テロ対策特別措置法を成立させるために与党が採った方策を再び利用しようというわけで、相も変わらぬヘリクツ政治をやっているということだ。
 インド洋での給油活動とは、アフガニスタンやイラクへの軍事出撃を繰り返す米軍向けに自衛隊が出向いて給油をいたしましょうという奇妙に一方的な活動をいう。「一方的」でないように整合させるためにはもっとじっくり論議を交わし、よく考え、再び論議を続けるといった本気の作業が欠かせない。が、本気の論議なんぞやられてはまずいと考える与党は「衆院再可決の規定」を持ち出し、つまりは衆院で3分の2の多数議席を擁する状態を盾にしたヘリクツ政治を押し通したのであった。

 ま、小泉純一郎元首相による2005年夏の総選挙で衆院の議席配分を決めたのは当時の有権者なのであり、それは同時に小泉内閣で頻発されたヘリクツ政治を好んだということを意味する。
 それじゃあ福田内閣だって真似したくなるよなと思わないでもないが、でもさぁ、ぼくのような者でもなぜ「衆院再可決」という規定が設けられているのかと考えれば、たとえば衆院解散を想定したものとわかるぞ。重要法案を審議しているまっ最中に解散総選挙という事態になった場合のような極端に異例な状況に陥っても国家運営に支障が起きないように、ある種の臨時措置として設けられている規定なのである。
 いま自民・公明両党は、そういった臨時措置的な規定を平常時に用いようとしている。
 こういうやり口を「弥縫策」と呼ぶ。
 ヘリクツをもってとりつくろい、きちんとした論議からは逃避し、ただひたすら多数を利用して乱暴に押し切ろうというねらいが見え見えではないか。まさに軽蔑の対象だ。

 まぁったく、与党だの政府だのという立場に身を置く連中は何を好んで軽蔑の対象になりたがるのだろう。